Adobe Marketo Engageを最大限に活用するためには「リスト」と「スマートリスト」で、ターゲットとなるリードを効率的に管理し、効果的なマーケティングキャンペーンを展開することが重要です。本記事では、リスト管理の基本から、リストとスマートリストの違い、特徴、そして最適な使用例までを詳しく解説します。Adobe Marketo Engageを使って成功するキャンペーンを実現するために、これらのリストの違いをしっかりと理解し、最適な選択を行いましょう。
◆目次
1. リスト(静的リスト)とは?
2. リストへのインポート方法
3. リストへのインポートの注意事項
4. スマートリスト(動的リスト)とは?
5. スマートリストの活用方法
6. まとめ
1. リスト(静的リスト)とは?
「リスト」は、「スタティックリスト」とも呼ばれる静的なリストを指します。リストには、Adobe Marketo Engageを利用するユーザーが任意で「リード」を追加・削除を行うことができます。
リストへの追加・削除は手動、またはスマートリストを活用してシステムで行うことができます。
リストの使用例としては
・セミナーやウェビナーなどの参加者をリストに追加
・特定のプロモーションキャンペーンの対象をリストに追加
・特定の条件を満たすリードを手動でリストに追加
などが挙げられます。
作成したリストは下図のようなアイコン表示となります。
2. リストへのインポート方法
①まずはインポートするCSVファイルを作成します。CSVファイルを作成する際、文字コードで文字化けするケースがあります。そのため、CSVファイルを保存する際には、文字コードを「UTF-8」「UTF-16」「Shift-JIS」「EUC-JP」を選択して保存しましょう。
②インポート先のリストを選択して、リストアクション > リストをインポート を選択します。
③インポートするファイルを選択し、フォーマットは自動検出、インポートモードはデフォルトを選びます。
※インポートモードの選択肢についての詳細はこちらを参照してください。
④CSVファイルのカラム名とAdobe Marketo Engageのフィールドをマッピング(突き合わせ)します。「リスト列」はCSVファイルのカラム名、「Marketoフィールド」はMarketo内のフィールド、「サンプル値」はCSVとフィールドのマッピンング結果(CSVの実際の値)が表示されます。
CSVファイルのカラム名を事前にMarketo内のフィールドと同じにしておくと、マッピング間違いを減らすことができます。
⑤リストを選択します。「リストをインポート」からインポートを始めた際には自動でリストが選択されています。「以下にアラートを送信」は、インポートが完了した際に、入力したメールアドレスへ完了の通知を送信します。
「新規顧客獲得プログラム」はプログラムに紐付けてリードをインポートする際に選択します。選択した場合プログラムのメンバーとして追加されます。プログラムを選択しない場合は「なし」を選びます。
これでインポートの完了です。
<<リストのインポートについては下記の公式マニュアルも参考にしてください。>>
参考:リストのインポート
3. リストインポートの注意事項
インポートするCSVファイル内に同一のメールアドレスが存在している場合や、Adobe Marketo Engageのフィールドに値を上書きする際など、以下のパターンには注意が必要です。
①インポートCSVファイルに同一のメールアドレスが存在している場合(かつ、該当のメールアドレスがAdobe Marketo Engageに存在して「いない」場合)
<サンプルCSVファイル(同じメールアドレスが3つ存在している)>
<サンプル結果>
インポートCSVファイルに同一のメールアドレスが存在している場合、インポートCSVの最上部のメールアドレスの行のみインポートされます
②インポートCSVファイルに同一のメールアドレスが存在している場合(かつ、該当のメールアドレスがAdobe Marketo Engageに存在して「いる」場合)
<サンプルCSVファイル(同じメールアドレスが3つ存在している)>
<サンプル結果>
該当のメールアドレスがAdobe Marketo Engageに存在している場合でも、インポートCSVの最上部のメールアドレスの行のみインポート(既存のリードに上書き)されます。
③インポートCSVファイルに「複数の」同一のメールアドレスが存在している場合
<サンプルCSVファイル(2種類のメールアドレスが3つずつ重複して存在している)>
<サンプル結果>
④Adobe Marketo Engageに既に存在しているリードのフィールドに値を「空欄」or「NULL」でインポートした時
<サンプル既存リード>以下の2リードがAdobeMarketo Engageに存在している
<サンプルCSVファイル>電話番号に空欄と「NULL」という文字列を入れている
<結果>
空欄でインポートした場合、既存のリードのフィールドの値は上書きされません(元々入っていた値がそのまま残ります)。
「NULL」という文字列を入れてインポートした場合、既存の値が空欄に変わります。
4. スマートリスト(動的リスト)とは?
「スマートリスト」は、Adobe Marketo Engageのデータベースから特定の条件に合致した「リード」を抽出することができる動的なリストです。
例えば、スコアリングの点数やリードステータス、職種や部署などの情報でフィルタし、条件に合致したリードを抽出することができます。抽出されるリードの数は条件によって動的に増減します。
スマートリストの使用例としては
・リードスコアリング: 特定のスコアに達したリードをスマートリストで抽出
・行動トラッキング: 特定のウェブページを訪問したリードや特定のメールを開封したリードを抽出
・パーソナライズドキャンペーン: 過去の購入履歴や興味に基づいてターゲット化されたマーケティングキャンペーンの対象を抽出
などがあげられます。
作成したスマートリストは下図のようなアイコン表示となります
スマートリストの作成方法は3つあります。
①上図のように「プログラム」の配下にローカルアセットとして作成する方法
②「データベース」内に「グループスマートリスト」として作成する方法
データベース >グループスマートリスト フォルダの配下に作成します
どのプログラムでも共通で使用するスマートリストを作成するときに使用します。
③「データベース」内に「システムスマートリスト」内のスマートリスト
デフォルトでAdobe Marketo Engage内に作成されているスマートリストです。
全リードの確認や、重複リードの確認に使用します。
※ここに新規でスマートリストを作成することはできません。
5. スマートリストの活用方法
Adobe Marketo Engageに存在しているフィールドを使用したり、「メールの開封」「ウェブページのアクセス」「フォームの入力」など様々なアクションも条件として設定することが可能です。
<スマートリストの設定例>
また、スマートリストは「スマートリストルール論理式」を使うことができます。これは「フィルター」条件を使って「and」と「or」を組み合わせた、複雑な条件抽出をすることができる機能です。
「スマートリストルール論理式」は下図の場所から設定をします。
「スマートリストルール論理式」の詳細はこちらの記事を参考にしてください
6. まとめ
いかがでしたでしょうか?用途が大きく異なるリストとスマートリストですが、Adobe Marketo Engageの中でも最も利用頻度が高く重要な機能です。よく理解し、正確に使用することでマーケティングの幅を広げることができます。ぜひ活用してください。
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