バウンスメールの原因と対処法。ハードバウンスとソフトバウンスの違いとは

2023.10.11 |

Eメールマーケティングを行う際には、配信されなかったEメールの状況を把握することが重要です。配信されなかったEメールには、ハードバウンスとソフトバウンスという2種類があります。この2つのバウンスメールの定義や違い、発生する原因を解説します。
また、MAツールによってバウンスメールの定義が異なっています。ここでは、Adobe Marketo Engage、Account Engagement(旧Pardot)、HubSpotの3つのMAツールを例にとって説明します。

◆目次
1. ハードバウンスとは
2. ソフトバウンスとは
3. Marketo、Account Engagemennt(旧Pardot)とHubSpotにおけるハードバウンスとソフトバウンス
4. バウンスとSPFレコード
5. まとめ

1. ハードバウンスとは

①ハードバウンスの定義
ハードバウンスとは、メール送信時に発生する問題の一つです。具体的には、送信しようとしたメールが受信者のメールサーバーまで到達しない状況を指します。この状況は「バウンス」と呼ばれ、ハードバウンスはその中でも特に深刻な問題を指すものです。なぜなら、ハードバウンスが起こると、そのメールアドレスへの今後のメール送信が全て不可能になることが多いからです。

②ハードバウンスが起こる原因
ハードバウンスの主な原因は次のとおりです:

・受信者のメールアドレスが存在しない
・受信者のメールサーバーが永久的にダウンしている
・受信者のメールボックスが削除された
・メールが受信者のメールサーバーによってスパムと見なされた

これらの原因の多くは、メールアドレスの間違いやメールサーバーの問題に起因します。

2. ソフトバウンスとは

①ソフトバウンスの定義
一方、ソフトバウンスとは、送信しようとしたメールが一時的な問題で受信者に届かない状況を指します。これは一時的な問題であり、問題が解決すればそのメールアドレスへのメール送信は再度可能になります。

②ハードバウンスとソフトバウンスの違い
ハードバウンスとソフトバウンスの主な違いは、「問題が永久的か一時的か」です。ハードバウンスが起こると、そのメールアドレスへの送信は基本的に再試行できません。一方、ソフトバウンスが起こると、一時的な問題が解決すればメール送信は可能になります。
ソフトバウンスの主な原因は次のとおりです:

・受信者のメールボックスがいっぱいで、新たなメールを受け取れない
・受信者のメールサーバーが一時的にダウン
・メールサーバーが混雑していて、メールを処理できない
・メールのサイズが大きすぎる

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3. Marketo、Account Engagemennt(旧Pardot)とHubSpotにおけるハードバウンスとソフトバウンス

ハードバウンスとソフトバウンスは、Eメールが受信者のメールサーバーに届かなかった場合に発生するエラーです。しかし、プラットフォームによって処理の仕方が若干異なります。

①Account Engagementにおけるハードバウンスとソフトバウンス

(1)ハードバウンスの原因と対処法
Account Engagementでは、ハードバウンスが発生したコンタクトは自動的にオプトアウト(配信停止)されます。これは、無効なEメールアドレスに送信し続けることで、送信者の評判や配信率に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

ハードバウンスの原因は主に以下の2つです。

 

・Eメールアドレスの入力ミス
・Eメールアドレスの変更やプロスペクトの退職など

これらの原因を防ぐためには、以下の対策を行うことが推奨されます。

・フォームやランディングページでEメールアドレスの入力チェックを行う
・定期的にコンタクトリストを整理し、無効なEメールアドレスを削除する

 

(2)ソフトバウンスの原因と対処法
Account Engagementでは、ソフトバウンスが発生したコンタクトはオプトアウトされません。しかし、同じコンタクトに対して5回連続でソフトバウンスが発生した場合は、6回目以降は送信されなくなります。

ソフトバウンスの原因は主に以下の2つです。

・受信者のメールボックスがいっぱいであること
・受信者のメールサーバーが一時的にダウンしていること

これらの原因を防ぐためには、以下の対策を行うことが推奨されます。

・送信するEメールのサイズを小さくする
・送信するEメールのタイミングを調整する
・受信者のメールサーバーの状況を確認する

出典:電子メールのバウンス│Salesforce(※2023年9月19日時点)
https://help.salesforce.com/s/articleView?id=sf.pardot_email_bounce_definitions.htm&type=5

 

②HubSpotにおけるハードバウンスとソフトバウンス

(1)ハードバウンスの原因と対処法
HubSpotでは、ハードバウンスが発生したコンタクトは自動的にオプトアウト(配信停止)されます。これは、無効なEメールアドレスに送信し続けることで、送信者の評判や配信率に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

ハードバウンスの原因や対処法は、Account Engagementと同様です。ただし、HubSpotでは、ハードバウンスが発生したコンタクトを再度オプトイン(配信許可)することも可能です。これは、Eメールアドレスが変更された場合や入力ミスが修正された場合などに有効です。ただし、再度オプトインする際には、コンタクトから明示的な同意を得る必要があります。

(2)ソフトバウンスの原因と対処法
HubSpotでは、ソフトバウンスが発生したコンタクトはオプトアウトされません。また、受信側か送信側の技術的な問題でメールが受信できなかった場合、HubSpotは最大72時間の間、メールの送信を試します(保留バウンス)。それでも受信できなかった場合はソフトバウンスとなります。

ソフトバウンスの原因や対処法も、Account Engagementと同様です。

出典:Eメールバウンスの種類│Hubspot(※2023年9月19日時点)
https://knowledge.hubspot.com/ja/email/what-is-the-difference-between-a-hard-bounce-and-a-soft-bounce

③Adobe Marketo Engagementにおけるハードバウンスとソフトバウンス

(1)ハードバウンスの原因と対処法
Marketoにおけるハードバウンスは2種類に分けられます。1つ目は受信者側のメールサーバーからスパムとして扱われている場合です。この場合、スパムリストから除外されるとメールを送信できる可能性があります。Marketoでは「メール中断」ステータスとなり、24時間はメール送信できません。24時間経過後、再度メールを送れるようになります。

もう1つは「電子メールが無効または存在しない」場合です。この場合「メール無効」のフィールドがTrueとなり、メールは送信できません。

(2)ソフトバウンスの原因と対処法
Marketoにおけるソフトバウンスは以下の3種類が存在します。

・メールボックスが満杯、タイムアウト、スロットルによって生じる一時的なもの
・技術的な問題、一次的な障害、管理上の障害、DNS障害によるもの
・上記にあてはまらない不明なもの

いずれも24時間(AOLの場合は36時間)後にメール送信を再試行します。

出典:リードのバウンスメールのディレクトリを維持する│Adobe Marketo Engagement
https://nation.marketo.com/t5/knowledgebase/maintaining-a-directory-of-leads-bouncing-emails/ta-p/300838

4. バウンスとSPFレコード

これまで解説した対策以外で、バウンスにおいて重要なことが「SPFレコードの設定」です。SPFレコードとは、Sender Policy Frameworkの略で、送信者のドメインから送信できるメールサーバーのIPアドレスを指定するDNSのTXTレコードです。

SPFレコードを設定することで、受信者サーバーは送信者IPを確認し、偽装されたメール(スプーフィング)を防ぐことができます。SPFレコードについてはこちらでも詳しく説明していますので、ご確認ください。

5.まとめ

ハードバウンスとソフトバウンスは、Eメールマーケティングにおいて重要な指標です。ハードバウンスは、Eメールアドレスが無効であることを示す恒久的なエラーで、ソフトバウンスは、Eメールアドレスが有効であるものの、一時的な問題でEメールが届かなかったことを示すエラーです。

MAツールによって、ハードバウンスとソフトバウンスの定義や対処法に若干の違いがあります。ハードバウンスとソフトバウンスの発生率や傾向を把握し、適切な対策を行うことで、Eメールマーケティングの効果を高めることができます。

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