2,000社超が利用するクラウド型コールセンターシステム「BIZTEL(ビズテル)」を提供する、株式会社リンク。同社のBIZTEL事業部では、比較サイトをはじめとする外部媒体から獲得したリードを、担当者がSalesforceへ手作業で登録していました。登録までのタイムラグや担当者の負担に加え、登録を分担した際のルールをめぐるチーム間の調整も、現場の課題になっていたといいます。
Lead Brizzyの導入により、外部媒体とSalesforceの連携を自動化。手作業の登録をなくし、インサイドセールスが本来の応対業務に集中できる体制を実現しました。マーケティングとインサイドセールス、それぞれの立場から、導入の経緯や効果についてお話を伺いました。
導入企業概要
株式会社リンク
事業概要:ITインフラをはじめとする様々なサブスクリプション型サービスを展開。BIZTEL事業部では、クラウド型テレフォニーサービス「BIZTEL」を提供。
所在地:東京都港区
インタビュイー
株式会社リンク
BIZTEL事業部 事業企画グループ マーケティングチーム
マネージャー 物江 由香 氏
株式会社リンク
BIZTEL事業部 営業グループ インサイドセールスチーム
マネージャー 高野 未来 氏
株式会社リンクは、ITインフラをはじめとする様々なサブスクリプション型サービスを提供する企業です。その中でBIZTEL事業部が手がけるのが、クラウド型テレフォニーサービス「BIZTEL」。2006年のサービス提供開始から、ちょうど20年を迎えます。
当時、企業が使う電話をクラウド化するという発想は、まだ一般的ではありませんでした。そうしたなかでクラウド型テレフォニーサービスのパイオニアとして事業を立ち上げ、現在は小規模な問い合わせ窓口から大規模なコールセンターまで、規模や業種を問わず、幅広い企業の電話業務を支えています。
強みは、2006年から積み重ねてきた音声通信技術です。サーバーを外部インフラに置く企業も多いなか、同社は自社開発・自社構築・自社運用の国内サーバーですべてを運用しています。すべてを自分たちで管理できるため、音声が途切れにくく障害も少ない、という安定性につながっています。この信頼性から、高いセキュリティ要件が求められる製薬会社や金融機関などにも多く採用されています。
コールセンター業界では、AIを活用した電話窓口の自動化が注目を集めています。ただし、すべてを自動化するのではなく、一次受付はAIが担い、AIで完結できない難しい案件はオペレーターにつなぐ「人とAIのハイブリッド」での構築を考える企業が多いといいます。自動化によって生まれた余力を、応対記録のデータ分析などのより付加価値の高い業務に充てていく、という活用です。
一方で、お客様が実現したいことは複雑になり、漠然としてきているといいます。AIで効率化したいという相談は多いものの、具体的に何をすれば良いかが分からないというケースも少なくありません。そうした課題を、インサイドセールスが対話を通じて紐解いています。
BIZTEL事業部のマーケティングチーム、インサイドセールスチームは事業部専任の体制です。マーケティング施策は、Webからのコンバージョン獲得に加え、外部媒体からのリード獲得、展示会への出展など、BtoBマーケティングの手法を幅広く実施しています。
現在、獲得したリードはSalesforceに自動で取り込まれ、インサイドセールスが内容を確認して、電話やメールでアプローチします。営業へ引き渡す条件をあらかじめ定義し、ヒアリングや情報発信を通じて温度感を高めていきます。初期のアプローチでつながらなかったお客様には、改めて架電。それでも動きがなければ、マーケティング側がメルマガでフォローする、という二段構えの体制を築いてきました。
Lead Brizzyを導入したのは2020年頃。それ以前は、比較サイトから入ってきたリードは、作業担当者がスプレッドシートに一覧化し、Salesforceへ手作業でインポートしていました。手間がかかるうえにリアルタイム性がなく、コンバージョンから登録まで数時間以上のタイムラグが生じることもあったといいます。
比較サイト経由のリードは、スピードが勝負です。登録を待つ間に他社からの電話が先に入り、お客様が対応に疲れてしまって話が進まない、ということもありました。
「比較サイト経由のお客様には、いろいろな会社から電話が入ります。登録を待ってから架電すると、その間にすでに他社が連絡していて、お客様が『たくさん電話が来ていて精査出来ないので今はいいです』とお断りされてしまうこともありました」(高野氏)
スピードを上げようと、一時期はインサイドセールスとマーケティングで登録を分担したこともありました。しかし、分担のルールを細かく決める必要があり、どのケースが該当するのかのすり合わせなど、かえって手間が増える面もありました。依頼する側とされる側、双方に心理的な負担も生じていたといいます。
「作業をお願いする担当者が、ほかにもたくさんの仕事を抱えていることはわかっていました。とはいえ、一件でも早く架電したい。強く言えばその人の負担になりますし、何も言わなければ自分たちの負担になる。そのバランスをとるのが難しい時期もありました」(高野氏)
導入のきっかけは、知人からの紹介でした。当時、ある媒体が用意していた自動連携の仕組みを先行して利用しており、その便利さを実感していたといいます。同じように他の媒体でも自動連携できる仕組みがあればと考えていたところに紹介を受け、すぐに導入を決めました。
決め手は、自動連携を他の媒体にも広げられること。そして、説明やマニュアルが分かりやすく、APIに不慣れでも手順どおりに設定すればスムーズに導入できたことでした。不明点もサポートにメールするとレスポンスよく回答が得られ、運用面でも安心して進められたといいます。設定はマーケティング側で完結しました。
導入後、手作業での登録がなくなりました。月によっては比較サイトから100件以上のリードが入ってくることもあり、その一件ずつにかかっていた登録の手間がなくなった効果は小さくありません。インサイドセールスにとっては、一部担っていた手動登録から解放され、本来の応対業務に集中できるようになったことが、最も大きな変化だといいます。
アプローチのスピードも上がりました。業務時間外に入った問い合わせも自動で登録されるため、翌営業日の朝からすぐに架電できます。当日中の対応が当たり前になり、他社に出遅れることも減りました。
「業務時間外に入ったお問い合わせも、翌朝にはすぐ架電できる状態になっています。そういう環境が当たり前になっていることを、とてもありがたく感じます」(高野氏)
さらに、登録ルールの調整や、担当者への依頼・調整といった、コア業務外のやり取りや気づかいの負担もなくなりました。作業そのものだけでなく、チーム間で気をつかい合うことから解放されたことは、両チームにとって大きな意味があったといいます。
「登録をお願いする側も、される側も、どこかで気をつかっていました。その負担がお互いになくなったことは、本当に良かったと思います」(物江氏)
近年、比較サイトからのリード供給は減少傾向にあるといいます。情報量が増え、お客様自身で十分に調べられるようになったことや、生成AIの影響も背景にあります。明確な検討段階のリードだけでなく、要件がまだ漠然としている潜在層のリードも増えており、お客様の課題を紐解いて解決に向けて伴走するインサイドセールスの役割は、いっそう重要になっています。
今後の展望について、同社はAIによる自動対応が普及していく時代だからこそ、逆に人の対応、人の声の価値が高まっていくと考えています。マーケティングにおいても、BIZTELの良さを丁寧に伝えて認知を広げるとともに、AIにも正確な情報が引用されるような活動を続けていく方針です。
「AIによる自動化が進むからこそ、逆に人の対応や人の声の重要性が高まっていくと当社は考えています。通話品質やシステム基盤の安定性という強みを活かし、音声コミュニケーションの面から、より多くの企業の成長を支えていきたいです」(物江氏)
今回の取材で印象に残ったのは、自動化の効果が工数の削減やスピードの向上だけにとどまらなかったことです。登録作業を依頼する側も、される側も、それぞれが気づかいや心理的な負担を抱えていました。その負担が解消されたことこそ、現場にとって大きな変化だった──。そう語る言葉が、強く心に残りました。
人とAIのハイブリッドを掲げ、人の対応の価値を見据える同社らしく、Lead Brizzyもまた、人が本来の仕事に向き合うための余白を生む仕組みとして機能していました。AIが広がる時代に、人の声をどう活かすか。その問いに正面から向き合う同社の姿勢が伝わる取材でした。